びおとーぷコラム3「ベンチャー企業の功(2005年8月号)」
*2005年6月~ダイナーズカードの会報誌『シグネチャー』で連載されたコラムを、あらためて加筆修正し不定期で掲載していきます。
ベンチャー企業の「功」
過去、何度かの「ベンチャーブーム」と呼ばれる時代が行ったり来たりしながらも、ここにきてようやく落ちついた感がある。そんな中、ベンチャー企業の功罪については、様々な場面で言われてきていることではあるが、その役割や存在意義についてあらためて考えてみたい。
ここでまずベンチャーの「定義」についてであるが、そもそもベンチャーとは、「ニッチマーケット」において新しいサービスを提供し、あるいは業界において古くから存在する規制の壁や慣習などを打破することによって消費者の利便性を追及していくといった役割を担っている。少々大げさな言い方にはなるが、あの会社が世の中に存在しなかったなら、あるいはこの経営者が世の中に存在しなかったならば生まれ得なかったビジネス、サービス等は多数存在する。
例えば今でこそ当たり前のように存在する「フリーペーパー」であるが、これを全国に流行させるさきがけとなった企業について考えてみたい。もしこのビジネス、サービスが世の中に存在しなかったならば、地方に存在する小規模のお店などが、格安なコストで自社の広告を出すなんてことは、いつまでたってもできなかったかもしれない。このように数えあげれば枚挙に暇がないが、様々な形で世の中にインパクトを与えつつあるベンチャー企業が多数存在してきている。
しかし、これにも増して私自身が重要だと考えるベンチャー企業の「功」は、実はまた別のところにある。とある急成長中のベンチャー企業を訪問した時のこと、オフィスの中に入るやいなや「おはようございます!」と起立して挨拶をする20代そこそこの茶髪のお兄さん、お姉さんたち(恐らくは社員だと思われるが・・)。その日は営業優秀な社員を全国から集めての表彰式典があるという。参加させていただくと(やはり先ほどの方々は社員であったが・・)、そこには喜々とした顔、顔、顔。中には感動のあまり泣きだしている女性もいる。
この光景を見ながら私は考えていた。彼、彼女たちは果たして既存の大企業などでは、このように活躍する場が存在したであろうか?ベンチャー企業が一律にこのような社風であるわけもないが、個人の価値観が多様化する時代の中で、様々な「個性」をもったベンチャー企業が生まれてきているのも事実である。従来であれば、スーツの色から靴の色まで同一であることが望まれてきた日本の大企業文化の中で、ベンチャー企業は新しい働き方を創造してきているのではないだろうか。(そう言えば、最近「カジュアルデー」などという言葉もめっきり耳にしなくなったが、これはある意味ベンチャーでは当たり前になってしまったからではないのか?)かくして「新しい価値観の雇用の受け皿」として、ベンチャー企業の役割が大きなものになりつつあると感じる今日この頃である。
※最近では、「ライフワークバランス」などの新しい働き方も提唱され始めている。ばりばり働くも人生、スローライフも人生、つまり本当に価値観が多様化してきているのである。
色々な人々が生きがいをもって働ける社会、また、高度成長期とは異なる働き方に今後はシフトしていくことでしょう。それこそがまさに「ロハス資本主義」なのです。











